染めるかわりに、せめて脱・シャンプーを

「いままで自分は何をやっていたんだろう、と情けなくなりました(笑)。シャンプーの代用品に頼ったりしないで、一気にスパッとやめるのがいちばんだと思います」完全なシャンプー断ちに成功してからは、しだいにニオイもベタつきも気にならなくなり、そして、髪にうれしい変化が現れました。「コシが出て、しなやかになりました。はねた毛も梳かすだけで、きちんとおちつくようになったのは、シャンプーをやめて、髪が乾燥しなくなったからでしょう」以前はドライヤーでブローをしなければ、髪がバサバサになって手におえなかったのが、ドライヤーで生乾き程度に軽く乾かしてから自然乾燥するだけで、髪がまとまるようになったといいます。そして、なんと、しつこかった肌の赤みもとれました。「ということは、赤みの原因は顔にたれてくるシャンプーだったんですね、きっと」いまでは、夏は毎日、冬は3日おきに水洗髪しています。「洗わない日も、イノシシの毛のブラシでブラッシングをていねいにしています。皮脂がモリモリ出てきて、汚れもほぼとれます」毛先にローズの香りのするバームをつけることもあります。香水の類もつけていないので、シャンプーをやめたいまでは、その香りさえしません。「香りがまったくないというのも、なんとなくさみしいので、つけているんですよ。髪がゆれたときなど、ふっとバラの甘い香りがして、優雅な気分にもなれます」界面活性剤をたくさん含んだシャンプーと、また、それとセットで使っていたトリートメント。「シャンプーもトリートメントもやめれば、その分、川も汚さなくてすみます。脱・シャンプーは社会貢献になる、環境のためにもなる素敵な行為です。「クレンジングクリームよりももっと悪いのが、シャンプーとトリートメントですよ」田中さんはすでに、クレンジングもせっけんもスキンケアの化粧品もやめて、顔も水だけで洗っていました。でも、髪を洗うたびに、
クレンジングよりも悪いシャンプーが顔につくわけです。「それが気持ち悪くて、せっけんで洗いながしたくなりました。シャンプーをやめれば、それもなくなりますよね」というわけで脱・シャンプーをしたのが、5年ほどまえのこと。髪自体はコシもあり、量も多くて「薄くなってほしいくらい」ですから、さらなる美肌のために脱・シャンプーに挑戦したわけです。といってもとくに肌のトラブルがあったわけでもありませんが。田中さんは1日おき、2日おき……というように、少しずつシャンプーの間隔をあけて、徐々にやめていく方法をとりました。

シャンプーは一気にやめるのが一番

「自分が最後にお風呂に入るときは、100回ブラッシングしたあと、湯船に髪を浸けて洗います。長い髪には、『浸け洗い』がぴったりです」脱・シャンプーをして2年目と3年目の夏には、1か月に1~2度の頻度でシャンプーをしました。「あの暑さの中でも、絶対にシャンプーしない、とそこまでがんばる必要はないと思うようになったんです。シャンプーで洗えばすっきり気持ちがいいですから。ただ、シャンプーをすると、もうテキメン、しばらくは皮脂バランスが崩れます。あと、お酒を飲みすぎた翌日も、ベトつきますね(笑)」ニオイは気にならない、と胸を張る山口さん。「息子に『お母さん、お酒くさい!』といわれても、『髪がくさい!』とは言われなくなりました(笑)」山口さんは化粧品によるスキンケアを断ち、顔もからだもせっけんを使わずにお湯だけで洗っています(これから紹介する2人のドクターも、この点は同様です)。シャンプーもやめたいま、旅行へ行くのにのにも、ジムへ通うのにも、ケアのためのものといえばワセリンひとつの身軽さ。けれど、なにより軽くなったのが、山口さんの心でした。「煩悩から解き放たれたような、魂までシンプルになった気がします。
ちなみに、娘さんと息子さんはともに10歳になるまでずっとノン・シャンプーでしたし、顔もからだもお湯だけで洗っていました。「年頃になると周りに影響を受け、興味をもってシャンプーをしはじめたようですが、2人ともアレルギーもなく、いたって健康です」
大学病院と私立のクリニックに勤務する形成外科医の毛利麻里さん(43歳)が5年ほどまえにシャンプーをやめようと決意したのは、肌のためでした。
ファンデーションをダブル洗顔で落としていたのですが、あるときから、急に肌が荒れて皮がむけ、赤みも出るようになりました。「ファンデーションをやめて、水洗顔だけにすると、じきに肌荒れはよくなったのですが、赤みだけはどうしてもとれないのです。原因はシャンプーかもしれない。そう思って、シャンプー断ちを決意しました、それも東京の酷暑の真夏に……」ある日、地下鉄のホームに電車が入ってきたときのこと、風圧で髪がふわーっと顔の前に舞いあがりました。その瞬間、自分の髪がにおったのです。「電車の中でもにおっていたかもしれない!私のうしろにいた方、ごめんなさい、と心の中で謝りましたね(笑)」ニオイだけでなく、頭皮のベタつきも気になりました。職業柄、患者さんと近くで接しなければならないのですから、から、シャンプー断ちを宣言したとはいえ、数日に1度はシャンプーをして、アルコール系のヘアトニックなども使っていました。

体験者が語る脱・シャンプーについて

シャンプーをしない女性なんかよほど偏屈で、しゃれっけもない変人だろうと思われるかもしれませんが、とんでもない。彼女たち3人はいずれも40代前半の知的な美人。しかも優秀で、おしゃれで、流行に敏感で、自信にあふれ、酒がめっぽう強い、うるわしきドクターたちです。3人とも薄毛でもなんでもなく、豊かなロングヘアをしていますが、界面活性剤の害が気になって、水洗髪に変更したのです。髪の長い彼女たちは、われわれ短髪の男性陣よりもはるかに苦労したようで、その分、工夫もしています。男女を問わず、シャンプーをやめようとしている人たちの参考になるでしょうし、くじけそうになったときには勇気百倍、ふたたびやる気がモリモリわいてくるはずです。東京・白金で美容皮膚科クリニックを開業している山口麻子さん(42歳)は、シャンプーをやめて3年がたちます。子どもの頃は赤毛だったのが、「ワカメのようように」真っ黒になって、ツヤも出てきたと喜んでいます。長年のシャンプーですっかり増えてしまった皮脂。それをシャンプーなしで流すだけでも大変なのに、そのうえ、脱・シャンプーを始めたのが蒸し暑い梅雨でした。「最悪のタイミングです(笑)。指で頭皮にさわると、ワセリンでもつけているかのように、ベトベト、ギトギトで、ブラッシングすると、皮膚角質(フケ)と皮脂とホコリでブラシが真っ白になりました」シャンプーしたい気持ちを抑えて、東京の暑い夏をひたすら「根性で」耐え抜いたといいます。
「このままシャンプーをやめていれば、かならず皮脂は減ってくる。そう信じて、大丈夫、大丈夫、と自分にいいきかせていましたね」ところが、10月に入ると、ベトベト、ギトギトがふいにおさまったのです。「ホントにふしぎです。ブラシにも白い汚れがつかなくなっていたんですよ。それからは、美容室でも、頭皮がどんどんきれいになって、いい感じですよ、などとほめられるようにもなりました」その美容室のオーナーは、脱・シャンプーにも理解があり、山口さんも正直にシャンプーをやめたことを伝えたそうです。
山口さんの脱・シャンプーの大いなる助けになったのが、ブラッシングです。朝起きてブラッシング、家に帰ってブラッシング、お湯洗髪するまえにブラッシングをまめにおこないました。「あっちの方向、こっちの方向、というふうに、いろいろな方向からブラッシングするんです。これだけで、汚れがかなり落とせます。

脱毛することについての勘違い

スネや腕や胸などを脱毛する若い男性が増えているそうです。嘆かわしい限りです。男の美と女の美とは、基準がまったく違うのに、そこを混同しているのだから、勘違い男としかいいようがありません。
男の美には男らしさということが含まれていて当然です。その昔、マンダムのコマーシャルにジャガイモみたいな顔のチャールズ・ブロンソンが登場して、「マンダム、男の世界」とやったとき、みんな、ああ、あれが男らしさか、とそれなりに納得させられたものです。そのチャールズ・ブロンソンがスネや胸や腕の毛をワックスで除去して、ツルンツルンにしますか?ということです。なにも私は、男尊女卑のマッチョタイプが男らしいといっているのではありません。そうではなくて、動物の世界でもオスのからだつきは、メスのそれとは違っているように、人間でも男性のからだつきや魅力は、女性のそれとは違っているのです。その違いをわざわざ否定し、スネや胸や腕を脱毛するような行為は、男性らしさとは無縁であり、したがって、その行為から生まれたツルンツルンのスネや胸や腕は、男性らしさとは無縁であり、したがって、その行為から生まれたツルンツルンのスネや胸や腕は、男性の美とも無縁なのです。ツルンツルンにするのは、そのほうが女の子にモテると思っているからだそうですが、気が利いていて、話がおもしろくて、おまけにイケメンであっても、その男性が脱毛していると知ったとたんに、印象が変わるという女性も多くいるようです。それはともかく、皮膚は再生をくりかえしています。毛根はこの皮膚再生のオリジンであり、新しい皮膚を次々につくっていく、その「種」のようなものなのです。ワックスなどでくりかえし、種である毛根を傷つけつづけていると、皮膚の再生する力も弱まっていくことが考えられます。再生力が弱まれば、シワができやすくなるなど皮膚の老化が早まるでしょう。脱毛は肌にとっても、決していいことではないのです。私のまわりでシャンプーをやめたのは、男性だけではありません。知り合いの女性たちも次々に脱・シャンプー派に転向しているのです。たくさんいるのですが、経験年数の比較的長い、筋金入りの3人を紹介しましょう。昔の人はきちんとブラッシングしていたから、毎日洗わなくてもよかったのですね」ブラッシングは頭皮の皮脂を毛先まで届かせて、「毛並みをそろえる」役割もしてくれるとも。山口さんが使っているのは、イギリス製の、イノシシの毛の高級ブラシです。

ヒゲは何もつけずに頭皮の洗髪と同じくシャンプーなしで剃る

頭皮がひどく乾燥すれば、新陳代謝が低下して、毛母細胞が新しくつくられにくくなりますので、結果的に薄毛の進行を早めることになるというわけです。しかも、カツラをつけるときには、パチンパチンとホックで留めます。この物理的な刺激によって、ホックがあたる部分の毛根が損傷を受け、毛が生えにくくなるのです。パチンパチンとホックが当たる場所は、遅かれ早かれかならず禿げてきます。というわけで、薄毛や抜け毛を遅らせたいのなら、カツラはなるべくつけないほうがよいでしょう。う。カツラをかぶるのなら、シャンプーをやめて頭皮を少しでも早く健康な状態に戻すことが先決です。■ひげは何もつけずに剃る毛の関連で、ひげそりや脱毛についてもふれておきましょう。まずひげそりからです。
ひげそりのあとやまえに、シェービングローションやシェービングクリームを使う男性も多いでしょうが、これは必要ありません。ローションは9割が水で、あとの1割は香料や防腐剤などで占められています。肌を潤わせる効果などありません。クリームは界面活性剤のかたまりのようなものですから、バリアをこわして、その成分は皮膚の中へ入っていきます。男性の毛穴は大きいですから、女性よりも化粧品の吸収はいいはずです。異物が入ってくれば、皮膚は防御反応として炎症を起こし、炎症が起きると、かならずメラニンが増えます。気づかないくらいの軽い炎症かもしれませんが、それが日々積み重なると、ある日、シミとなって現れる可能性も大いにあります。ます。また、顔がテカテカしていたり、赤ら顔になっているのは、クリームが原因かもしれません。何もつけないと、カミソリ負けするのではないかと不安かもしれません。毛穴の突起部分を、ちょうど首をはねるようにカミソリで切り落とすことで、毛穴が炎症を起こした状態が、カミソリ負けです。しかし、よほどひげの濃い人なら別ですが、ふつうの人ではシェービングローションの類や、せっけんの泡などをつけなくても、水をつけて深剃りしないように、浅めにゆっくりサラッと剃れば、カミソリ負けを起こすこともないと思います。ただし、電気カミソリは要注意です。電気カミソリの場合、軽く剃っただけではひげが残ってしまうため、つい強く刃を押しあててしまいます。これで毛根を傷つけ炎症を起こしてしまうことが多いのです。

カツラをかぶると、薄毛が進む

毛染めは、シャンプーよりもひどいかぶれ方をするのですから、とくにアトピーの人はもちろん、ヘアダイをするなど言語道断です。症状を悪化させるだけです。
花粉症の人は、花粉症の出ている時期だけでもヘアダイをひかえるべきです。気がついていない方もいるでしょうが、花粉症のときの肌をマイクロスコープで診ると、真っ赤に炎症を起こしています。そんな状態でヘアダイをすれば、かぶれ方もいっそうひどくなることは、火を見るよりも明らかです。とはいえ、白髪はやはり気になるでしょう。若い女性なら多少とも流行をとりいれたいかもしれません。それなら、害がずっと少ないヘアマニキュアなどでしのいではどうでしょう。また、植物からとられたヘナも、アレルギーを起こすことが少なくありませんが、それでも、ヘアダイよりはずっと人体への害が少ないことが知られています。ただ、ヘナだけではなく、他の化学物質を混ぜている場合も多いので、自分にあったものを探して使ったほうがよいでしょう。なお、パーマも当然、肌に悪影響を与えますが、私がおおぜいの女性の肌を診てきた経験では、ヘアダイに比べれば害は少ないようです。とはいえ、パーマは毛髪をパサパサに傷め、頭皮へダメージを与えて薄毛を早める原因となります。肌のためにも、そして、なによりも髪のためにも、パーマもかけないにこしたことはありません。
カツラをかぶると、薄毛が進みます。頭皮が蒸れるためです。蒸れるということは、湿気が多いということです。湿気が多いということは、頭を長時間すっぽり水に浸けているのと同じことで、頭皮は水を吸ってふやけてしまいます。そして、カツラをとった瞬間、ふやけた頭皮は、乾燥した外気にさらされることになり、このとき、頭皮の表面だけ先に乾燥して、て、内側は湿ったまま残されます。乾燥した表面は縮むけれど、湿った内側は縮まないのですから、頭皮の細胞はすべて外側へそってしまいます。こうしてできた隙間から、中の水分がどんどん蒸発して、頭皮を乾燥します。女性用の電気カミソリも売られていますが、同じ理由で深剃りしがちですので、安全カミソリを上手に使うほうがそれこそ安全でしょう。女性の場合も、何もつける必要はありません。深剃りにならないように、刃を押しつけず、軽いタッチでそれば、それほど肌を傷める心配はありません。

スカルプマッサージは頭皮をやさしくする

スカルプマッサージがブームだとききます。マッサージに明らかな育毛効果があるという科学的な証拠はありません。たしかに、頭皮をマッサージすれば、その刺激で頭皮の血液循環が高まって毛根へも十分な栄養がいきわたりますので、太くてしっかりとした毛を育てる効果がありそうな気がします。しかし、マッサージによる血液循環の増加は一時的なものです。その状態が、継続するわけではありませんので、一時的な効果が毛根の成長にいい影響をあたえつづけるのかは、疑問に思います。マッサージもやりすぎて頭皮をこすりすぎたり、傷つけたりしては、逆効果です。頭皮をこするのではなく、指で軽く押すなど、やさしく圧や刺激をかけて血液循環を高める方法なら、やってもいいかもしれません。最近では男性も髪を染めるようになりました。昔なら考えられないことですが、年配の男性たちは白髪染めをしていますし、若い男性たちも当たり前のように茶髪や金髪にして楽しんでいます。ます。もちろん女性たちは年齢に関係なく、染めていない人のほうが少数派ではないかと思われるほどです。けれど、ヘアダイの成分は発がん性が指摘されています。気楽におしゃれを楽しむのもいいけれど、それは健康とひきかえにおこなっていることを肝に銘じておくべきでしょう。発がん性だけではありません。髪を染めて、頭皮にアレルギー反応を起こさない人のほうが珍しいほどです。人によっては、気づかないほどの軽い反応かもしれませんが、アレルギーにともなって、頭皮は炎症を起こし、毛根を傷めて、抜け毛や薄毛の原因になります。薄毛になりたくないのなら、あるいは、薄毛になるのを少しでも遅らせたいのなら、ヘアダイは禁物です。ヘアダイの影響は頭皮や毛根にとどまらず、肌にもおよびます。ヘアダイをしたあとも2か月ほどは続きます。髪を洗うたびに、ヘアダイの成分が髪から落ちては、顔やからだに付着しつづけるのです。いまの人は、50年ほどまえの人たちよりも、背中が汚くなっています。シャンプーやトリートメント、それに、毛染めがからだにまとわりついているためでしょう。また、胸よりも背中が汚いのは、背中のほうがシャンプーを洗いながしにくいためと思われます。妻も以前はヘアダイがなかなかやめられませんでした。ヘアダイで染めた直後の肌をマイクロスコープで診るたびに、毛穴はいたるところで炎症を起こして真っ赤になっているし、角質細胞があちこちでめくれあがっている。マイクロスコープの中の肌は、砂漠のようにガッサガサでした。「毛染めなんかしていたら、炎症で肌が老けるよ、シミもできるし、シワもできる。シャンプーを毎日微量ずつ頭皮に注射しているのと同じだから健康にも悪いし」といわずもがなのことをいっては、しょっちゅう夫婦喧嘩になっていました。

洗髪以外にシャンプーする上で気をつけたいこと

シャンプーにはパラベンなどの防腐剤が含まれています。防腐剤は非常に強力で、常在菌を殺すだけでなく、その強い殺菌力でマラセチアも殺していたはずです。ところが、シャンプーを使わなくなると、毎日頭皮につけつづけてきた防腐剤に抵抗力のあるマラセチアが息を吹きかえす結果になります。いっぽうで、本来ならマラセチアに対抗して押さえこむはずの善玉常在菌の多くはすでに死にたえています。そのために、頭皮はマラセチアの「天下」となり、脂漏性皮膚炎にかかってしまうと考えられます。『「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法』という私の前作では、化粧品のさまざまな害について詳しく解説し、化粧品によるスキンケアをやめるように提唱しました。読者の大半の方々が、肌の健康をとりもどすことができたと喜んでくださいましたが、ごく一部に、化粧品をやめたせいで毛穴に白いボツボツができたり、それが糸のように伸びたり、皮膚が赤くなったり、粉をふいたり、皮膚に黄色いカビがこびりついたりといった症状が現れて、基礎化粧品がやめられないという人がいらして驚きました。診察してみると、ほとんどの患者さんが脂漏性皮膚炎で、検査の結果その原因として、マラセチア感染症であることがわかりました。化粧品に含まれる防腐剤によって、常在菌もマラセチアも多くは殺されましたが、化粧品をやめたためにマラセチアが息を吹きかえしたのに、常在菌の数はさほど戻らなかった。そのため、力関係でマラセチアが優位になり、脂漏性皮膚炎を起こしてしまうという現象のようでした。シャンプーもこれとまったく同じ構図なのです。いずれの場合も、治療が必要ですので即刻、皮膚科へ行くことをおすすめします。何も使わないスキンケアやヘアケアで、肌や頭皮が赤くなったりトラブルになるということは健康な状態ではありません。基礎化粧品にしても、そして、シャンプーにしても、常在菌が立ち直れないほど痛めつけるまえに、少しでも早くやめるべきです。髪だけでは落とせませんが、多少残っていても害はありませんし、3~4日もすれば、皮膚の新陳代謝によって垢といっしょに落ちていきます。
ちなみに、私が皮膚につけていい唯一の油脂と考えているのが、このワセリンです。それはともかく、ワセリンといえども、つけすぎは禁物です。です。皮膚の表面は多少とも乾き気味のほうが、古くなった角質細胞が落ちやすく、そして、角層でひとつ角質細胞質が落ちることで、その情報が下の基底層へ伝わって、はじめて新しい細胞がひとつ生まれます。

異常なフケは皮膚科で診てもらおう

ワセリンで頭皮の表面をベタベタにしていれば、古い角質細胞ははがれおちにくく、その結果、基底層で新しい細胞が生まれにくくなり、頭皮が薄くなるのです。ここいちばん、絶対に肩にフケを落としてはならない!というときに限り、ごく少量つけること。これをかならず守ってください。さもないと、ワセリンといえども薄毛や、禿げる原因になります。また、シャンプーで洗わなくなったら、ブラシの先で地肌をこするようなブラッシングは御法度です。新陳代謝が良好な頭皮は、元気で厚いため、角化細胞の層も厚くなっています。それを、ブラシでこすると粉のような細かいフケが出てしまいます。地肌をこすらずに、毛だけをやさしくブラッシングするようにしてください。
フケは、頭皮が健康であっても(というより、健康であるからこそ)、多少は出るのが当たり前ですので、あまり神経質にならないほうがいいでしょう。う。けれど、肩に真っ白く積もるほどフケが落ちるのは、明らかに異常です。何かの原因で、頭皮が皮膚炎を起こしていると考えられます。炎症の原因としてよく知られているのが、マラセチアというカビが原因の脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎の原因についてはいろいろな説があり、まだ完全には解明されていませんが、皮脂が酸化した成分による刺激といわれ、皮脂を酸化させるものとしてマラセチアが原因であることが少なくありません。マラセチアの作用によって酸化脂質が大量にでき、その酸化脂質の刺激によって頭皮に炎症を起こしている状態が、脂漏性皮膚炎です。前頭部の生えぎわや眉毛、小鼻のあたりなど、皮脂腺の発達した部分が赤くなって、少しかゆみをともない、粉をふいたり、フケが大量に出たりするのも特徴です。
このような症状があれば、すぐにでも皮膚科で診察を受けましょう。マラセチアは、正常な肌にもいるカビの一種で、数は少ないのですが、誰の皮膚にも棲みついている皮膚常在菌ともいわれていいわれています。皮膚を守っている他の常在菌が正常に棲みついて、活動していれば、カビなどそうそう増えるものではありません。ん。ところが、シャンプーやヘアトニックなどのヘアケア製品をくりかえし使っているうちに、それらに含まれている防腐剤によって、肌を守る善玉常在菌は死んで、数が極端に減ってしまうので、防腐剤に強いカビが勢いづいて増えてしまうのです。シャンプーのしすぎで、マラセチアに感染している人がいるいっぽうで、シャンプーをやめたことで、マラセチアに感染する人がいることも、ここでぜひ知っていただきたいと思います。頭皮からフケが出ないようにするシャンプーはコレが良いです。

頭皮のフケが気になるならワセリンが有効

それよりも重要なのは、梳かし方です。ゴシゴシと強く梳かしたり、ブラシを速く動かしすぎると、髪を傷つけてしまいます。ゆっくりと、やさしく梳かします。地肌はこすらないように梳かすのがコツです。地肌をこすると、細かい粉が出てしまいます。地肌のマッサージをしたいときは、指の腹で押してください。ブラッシングは、最低でも1日に1回、水洗髪するまえにおこなうのが原則です。ブラッシングによって余分な皮脂や過酸化物などの汚れが浮きあがってきますので、ので、それらを水洗髪で洗いながせば、それだけ汚れをしっかりと落とせます。もちろん、洗髪のまえだけでなくても、ベタつきやニオイが気になるときは、いつでもブラッシングを。頭皮も、気分も、さっぱりします。汚れたままのブラシを使っては、頭皮や髪も汚れてしまいますので、ので、ブラシはこまめに水洗いしましょう。やってみればわかりますが、髪の脂やニオイは、ほとんど水で洗い流せます。ふつうのクシや目の粗いナイロンブラシを用意しておいて、毎回、水で流しながら2つを交叉させて、ブラシについた髪の毛をとったり、ゴミを掃除したりしてください。ナイロンやプラスティックのブラシは水洗いもOKです。獣毛は水洗いをすると、多少寿命が短くなるかもしれませんが、早めにかえたほうが清潔ですし、髪も傷みません。ぬるめのお湯や熱いお湯、ときには純せっけんで洗うと、汚れはさらに落としやすいのです。せっかくシャンプーをやめたのですから、ブラシもシャンプーでは洗わないでください。合成洗剤は洗いながせず、かならず残りますので。
シャンプーのせいで、フケがほとんど出なくなっていた人では、水洗髪に切り替えたことでフケが増えるはずです。それが、頭皮が健康になった証だとわかってはいても、気になるかもしれません。
あまり気になるようなら、洗髪のときに頭皮を指先の腹で軽くマッサージして、古くなった角質をある程度落としておくのです。それだけで、気にするほどのフケは落ちてこないはずです。
また、冠婚葬祭などで黒い服を着なければならないときにフケが気になるようなら、頭皮の表面にごくごく薄く白色ワセリンをつけるとよいでしょう。指先にごく少量(米粒半分~1個分ほど)のワセリンをとって、両手のひらで十分にのばしてから、頭皮につけていきます。ワセリンは皮膚の中へ入っていくことがなく、また、きわめて酸化しにくいのが特徴で、酸化するまでに数年もかかるほどです。ワセリンは水洗いで大丈夫です。

シャンプーと上手に付き合っていくために考えておきたいことについて紹介しています